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2008年1月31日 (木)

漆の実のみのる国を読んで

 藤沢周平作品『漆の実のみのる国』を読み終わった。天下の名君上杉鷹山を書いているが、決してヒーローには書いていない。

 養子に行った先の米沢藩の経済が困窮し、飢饉に苦しめられる。そんな米沢藩をなんとか立て直そうと、改革を進めようとする竹俣当綱をはじめとする家臣たちと藩主上杉治憲の苦難の道が書いてある。

 漆・桑・楮を植えて米以外の産業で収入を得ようと、長いスタンスで改革を進めますが、軌道に乗り始めると、悪天候に見舞われ思う様に改善されません。

 努力しても努力しても成果が上がらないことに疲れ果てた家臣たちが役を降りたり、治憲は江戸での生活もしなければならないし・・・。

 家臣たちは疲れて、「もうやめた」と言えますが、君主は逃げ出すわけにはいきません。家督を譲って、改革に精を出します。

 物語は、彼が藩主になる19歳より前、12歳の頃の執政達の苦闘から描き起こされ、隠居して後の41歳までが描かれています。が、最後まで明るい未来は見えてきません。鷹山が漆の木に実る小さな実を思いながら終わります。

 藤沢周平が生きていたら、鷹山が改革に成功してハッピーエンドになるところまで書きたかっただろうと思うし、藤沢の筆による続きが読みたいと思います。

 鷹山の人となりは随所に書かれ、実の父親の看病、養父の看病にみる誠実さもさることながら、農民に対する愛情は、「役人は母の赤子に対する心をもって民にのぞめ。この真心、誠のあるところ愛を生じ、愛は知を生ずる」というこの言葉に表れていると思う。

 有名な「なせばなるなさぬは人のなさぬことなり」などは一言しか触れてなく、ヒーロー鷹山の姿はない。藤沢は何が書きたかったのか。ノンフクションとしての藩の苦しみだけを書きたかったのだろうか。

 まとまらないが現代の政治家にも読んで欲しい一冊かな。

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