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加賀乙彦氏の講座を・・・

  初めて加賀乙彦氏の本を読んだのは1983年から、朝日新聞の朝刊に連載された『湿原』だった。朝刊が配達されるのを今か今かと毎朝早起きしていた。それでも読める一日分なんか知れている。そこで図書館通いが始まった。『宣告』上・下を読んだように思うが、とにかく加賀乙彦作品を続けて読んだ。

 難しかったのは『フランドルの冬』フランスに留学していた氏がフランスを舞台に書かれたもの。今なら読めるだろうか?

 この頃の加賀乙彦作品は長編ばかり、それでも面白くて、興味深くて一心に読んだ。読書会では『炎都』上・下を読んだ。

 『湿原』に登場する、厚夫と和歌子の描写に人間の内面を見る思いがしたし、野田弘志氏の挿絵の緻密な絵に惹かれたんだった。

 そんなに好きな作家、加賀乙彦氏の講座がNHK文化センターであるというので、迷うことなく申し込んだ。

 随分と年を召されたなぁと思ったら、78歳になられるという。小柄な体はシャキッとお元気そうだ。くるっとした眼も変わっていない。今日は「死刑制度とわたしの文学」として、精神科医として、東京拘置所に医官として勤務されたころの話などを1時間半にわたって淡々と語られた。

 メモはノートに7ページになった。

 Tokyou大学に席を置きながら、東京拘置所では、医官が一人だったので午前中に外来患者100人、午後は病室の入院患者を30人も診られたそうだ。当時の東京拘置所の3階建ての2階中央に死刑囚50人の独房があり、騒がしかったのだという。

 お経を唱える者、隣の独房の死刑囚と話す者、いくつも離れた独房の人と将棋を指す者、目を離すと自殺する者も・・・。規律を守る者はなく騒がしいのだと。その理由も話される。

 内容が濃かった・・濃すぎてまとめることができない。氏は今、死刑廃止を訴えておられるらしい。らしいというのは、ある時氏の小説を読んでがっかりして以来距離を置いているからだ。

 先進国で死刑制度のある国は日本だけだと言われる。フランスは死刑制度を廃止して20年だとも。私は(日本人はと書いてもいいくらいだが・・・)死刑囚はそれなりの罪を犯したので処刑されるのは当たり前だと思っている。死刑囚の現実は知らされていないから、拘置所での死刑囚の生活環境も知らない。つまり、関心はない。

 これだけしか書かないと、書かない所に真実が多くあるのことをわかってもらえないので、加賀乙彦氏の真実は見えてこない。今回の講座は
6月22日午後9時からNHKのラジオ第2放送で放送されるそうだ。淡々と語られるのだがいい話だった。

 長くなるので、文学に対する氏の思いは明日、書くことにしたい。最後に医師を目指しながら、文学者になったのを後悔することがある。いまだに精神学をやっていればよかったと思うと、おっしゃったのには驚いた。

 死刑は人類の作ったもっとも残酷な制度だと。また、一人の人間の命は地球より重い は1955年に最高裁の判決文の冒頭の言葉です。と言われる。凶悪犯罪が増えていると感じている私は、死刑制度の廃止など考えたこともなかった。

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コメント

 今日のニュースで、去年、娘さんを殺されたお母さんのことが流されてました。千種区の会社員だった娘さんが、あと少しで自宅というところで、拉致され殺害されたのを覚えてみえるでしょうか? 犯人たちは、ネットの闇サイトで知り合ったそうで、鳩山法相に闇サイトの取締りの嘆願書を送ったそうです。その他に犯人たちに極刑、つまり、死刑を求める署名活動をしているそうです。
 遺族の感情としては、そうなんでしょうね。できれば、自分の手で処刑したいくらいかもしれません。
 私は、つい何年か前まで無期懲役のことを終身刑のことだと思ってました。終身刑にあたる刑は、日本には無いそうですね。
 死刑については、複雑です。遺族の感情や更生の見込みが無い、全く反省の色がないなど、仕方がないのかなと思います。でも、同じ人間同士で、その人の命を奪うことを決定してしまうことの恐ろしさも考えてしまいます。ましてや、冤罪だったりしたらどうしたらいいのでしょう?
 裁判員制度が始まりますね。もし、自分が選ばれてしまったら・・・そう考えると、やはり、考えたほうがいいのではと思います。

なんかとても大事だけど重い内容になっていますね。
>千種区の会社員だった娘さんが、あと少しで自宅というところで、拉致され殺害されたのを覚えてみえるでしょうか?
覚えていますよ。
それに山口は光市の母子殺人事件も。

大事な人が無残に殺されてしまったら自分の手で処刑したいという気持ちもよくわかりますね。

山口の母子殺人事件の裁判の時に加賀乙彦氏はインタビューを受けておられます。

死刑の判決が出たり、死刑が執行されると、死刑制度のない国の記者が加賀氏のところへ意見を聞きに行くそうです。

日本みたいに命を大事にする国に何故死刑判決があるのかと。

裁判員制度で自分が選ばれてしまったら、と思うと怖いですね。死刑囚がどんな待遇にあるのかを知るのも大事なことかなと思いますね。

今の法務大臣は、よく仕事をしていますね。今は執行されると新聞に載るとか。一回もハンコを押さずに法務大臣を務める人もあるそうです。

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